ゾーンディフェンス

ゾーンディフェンスの導入を考えよう

ゾーンディフェンスに関して

まず初めに、バスケットボールのゾーンディフェンスの魅力について話したいと思います。

ゾーンディフェンスの魅力とは、ゲームそのものを劇的に変えてしまう力を持っているということです。一種の特効薬とでも言えばいいでしょうか。負けているゲームがゾーンディフェンスをしたことでひっくり返った試合を私は幾度となく経験しました。

ただ、特効薬であれば当然副作用もあります。ゾーンディフェンスをしたことで、逆転負けをした苦い経験も数多くあります。もちろん、絶対に1対1では劣っているのに、ゾーンディフェンスをしたことで試合に勝つ可能性を見出すこともできるでしょう。

ゾーンディフェンスは、「いつ」「どんな流れで」「どの型で」「誰を使って」仕掛けるかが重要であり、試合の流れを見極めるコーチ・監督の力量が問われます。

以下では、簡単なゾーンディフェンスの特長をまとめてみました。コーチ・監督だけでなく、選手にもマンツーマンとの違いを理解しておいてほしいです。

 

マンツーマンディフェンスとの違いは

  1. 「エリア」を守るゾーンディフェンスvs「人」を守るマンツーマンディフェンス
  2. ゾーンディフェンスは「エリア」を守るディフェンスであり、人につくのではなく任されたエリアを5人それぞれが守るディフェンスです。各エリアに配置された5人のすべてのプレイヤーがボールを中心に守ることで、常にボールに対して5人で守っているという感覚があります。

    一方で、マンツーマンディフェンスは「人」を守るディフェンスであり、その名前の通りディフェンダー1人がオフェンス1人を捕まえます。バスケットにおいてもっとも基本的なディフェンスです。

  3. ボール・人・ポジションの優先順位
  4. ゾーンディフェンスでは、

    「ボール>ポジション(エリア)>人」

    の順で守るべき重要度が高いです。もちろん、ゾーンディフェンスには多様な種類があり、この通りの順番でないことも多々あります。

     

    一方のマンツーマンディフェンスでは、

    「人>ボール>ポジション(エリア)」

    の順で守るべき重要度が高いです。自分のマークマンがボールを持っていないときは、ボール>人(マークマン)と考えることもあります

    上で示したように、ゾーンディフェンスとマンツーマンディフェンスとでは、守るべき優先順位が異なります。

  5. 要求される個人スキル
  6. マンツーマンディフェンスでは1線・2線・3線があり、ヘルプディフェンスやローテーションなどがあります。しかし、結局の所、1対1で守れない限り、しかも5人全員が1対1で守れない限り成立しないディフェンスでしょう。

    一方で、ゾーンディフェンスはチームで守るため、個人スキルが相手に対して劣っていても守ることができます。もちろん守れないときもありますが。。

 
それぞれのディフェンスで求められているスキルを簡単にまとめると、

  • マンツーマンディフェンス=「対人のディフェンス能力」
  • ゾーンディフェンス=「チームの練習量&5人のバスケIQ」

となります。

 

ゾーンディフェンスのメリット(長所)

  1. ゲームのリズムを大きく変えることができる
  2. 相手にゲームの流れが傾いたときに、ゾーンディフェンスをすることで流れを持ってくることができる。

  3. 速攻(ファーストブレイク)を出しやすい
  4. 5人が決まった場所で守っているため、練習通りの型で走れるから。

  5. 個人スキルで劣っている相手に対して守ることができる
  6. 1対1ではなく、1対5で守るから。

  7. スーパースターがいる相手を守りやすい
  8. 1対1で守ることができない選手がいる場合にチーム全体で守るから有効的。

  9. 長身選手の有効活用になる
  10. 長身選手が常にゴール下を守ることができるため、シュート確率の高いゴール下シュートを防ぎやすい。

  11. スクリーンプレー対策
  12. 相手のスクリーンが上手い場合(または自チームのスクリーンへの対処が下手な場合)

ゾーンディフェンスのデメリット(短所)

  1. ゲームのリズムを大きく変えてしまうことがある
  2. ゾーンディフェンスに変えたことで、相手に流れがいってしまうことがある。

  3. 個人個人の責任が薄くなる
  4. エリアを守るディフェンスであるために、責任の所在が明らかでなく、責任が薄くなりがち。

  5. 3ポイントシュートやアウトサイドシュートをうたれやすい
  6. トップ・サイド・コーナーは特にうたれやすい。

  7. ドライブ・ジャンプシュート・パスのできる選手が相手にいると崩されやすい
  8. 秀でた選手に対しては対処が必要。

  9. ゾーンオフェンスのうまいチームには使いにくい
  10. 自分たちのゾーンディフェンスが研究されていると、簡単に崩されてしまう。

 
*あくまでゾーンディフェンスの概念についての説明であり、個別のゾーンディフェンスの説明ではありません。

ゾーンディフェンスの種類によっては、上で説明したことに当てはまらない場合があることをご了承ください。

ゾーンディフェンスごとの詳細は下記で説明しています。知りたいゾーンディフェンスの種類をクリックしてください。

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