1-3-1ゾーンプレスとは?
ハーフコートの1-3-1ゾーンディフェンスを使っているチームはありますが、オールコートの1-3-1ゾーンプレスを使っているチームは少ないでしょう。
しかし、アメリカではハーフコートよりもオールコートから展開する1-3-1ゾーンが主流と言われています。
1-3-1ゾーンプレスは通常の1-3-1ゾーンディフェンスをオールコートに応用したもので、ボール運びに時間をかけさせるとともに、コフィンコーナーでのトラップを積極的にしかけます。
特に、サイドライン側に追い込んで、ハーフコートラインとサイドラインを味方につけたトラップは効果的です。
ハーフコートの1-3-1ゾーンディフェンスを行うのであれば、オールコートで仕掛けるための練習もしておくことをお勧めします。
1-3-1ゾーンプレスのメリットやデメリット、主なルールなどは1-3-1ゾーンディフェンスの所で解説していますので、そちらを参考にしてください。
説明を分かりやすくするために、各ポジションのことをトップ、ウィング、ミドルセンター、ウォーリアーと呼ぶことにします。
1-3-1ゾーンプレスの手順
・セットアップ
トップはフリースローライン周辺に、ウィングとミドルセンターはハーフコートより少しバックコート側に、ウォーリアーはゴール下にポジションを取ります。
ボールマンがフリースローラインを超えたら、トップはボールマンに対してプレッシャーをかけ始めます。通常の1on1とは異なり、トップはオフェンスの正面に立つのではなく、横に立ってサイドライン側へ誘導するようにディフェンスをします。
オフェンスが逆サイドへパスを展開した場合、トップは体の向きを反転させて、同様にサイドライン側へ追い込むようにプレッシャーをかけます。オフェンスに近づきすぎると、逆サイドへパスをされたときに対応できなくなってしまうので、手2~3本分の距離でプレッシャーをかけます。トラップを仕掛けるタイミングに合わせて徐々に距離を詰めます。
トップはコートの中央をドリブル突破されてはいけません。必ずサイドライン側へ行かせるようにしましょう。
また、フラッシュされて中継された時の対応はどうするのか?という疑問を持たれると思いますが、1-2-1-1ゾーンプレスや2-2-1ゾーンプレスのように全体でプレッシャーをかけているわけではないので、オフェンスがフラッシュをしてくる可能性は低いです。たいていの場合、ガード陣2人でボール運びをしてきます。
・コフィンコーナーのトラップ
相手ガードがドリブルでハーフコートラインを超えたら、ウィングとトップでダブルチームを仕掛けます。2人の間をドリブルで突破されてしまうケースが非常に多いので、いきなり激しいプレッシャーをかけようと前へ出るのではなく、ウィングは抜かれない距離を保って相手ガードにドリブルを止めさせるように努めます。
相手ガードがドリブルをやめたら、2人で激しいダブルチームを仕掛けます。その際は必ずハンズアップをして不要なファールをしないようにします。また、逆サイドのガードへパスがでないように視界を遮るように手を使いましょう。
トップとウィングでダブルチームを仕掛けている間の他のプレイヤーの動きは、
- ミドルセンター:ハイポスト周辺を守ります。相手ガードから出てくる苦し紛れのパスのスティールを積極的に狙います。もちろん、ミドルセンターは常にゴールライン(ゴールとボールの直線上)にいるという基本ルールを忘れないようにしましょう。
- ウォーリアー:ボールサイドのローポスト(ブロック)周辺を守ります。コーナーへのパスもスティールできるように準備しておきます。
- 逆サイドのウィング:オフェンスのポジションによって守るべきスペースが変わります。逆サイドのローポストにオフェンスがいる場合は、そちらを優先的に守ります。そこにオフェンスがいない場合は、ガードとガードのパスのスティールを狙いに行きます。
・サイドチェンジへの対応
サイドチェンジをされた場合、ハーフコートの1-3-1ゾーンディフェンスに移行するか、逆サイドのウィングが上に上がってきてトラップを継続するという2つの方法があります。
どちらにするかは状況によります。
- 逆サイドのウィングがローポストを守っていた場合には、ハーフコートの1-3-1ゾーンディフェンスへ移行します。
- 逆サイドのウィングがパスカットをしようとスリーポイントライン付近にいた場合には、トラップを継続します。
どちらの場合でも、5人全員がボールに合わせてディフェンスのポジショニングを素早く移動する必要があります。特にボールにプレッシャーをかけていたウィングはボールを守れるようにパスが出ると同時に下がるようにしましょう。
まとめ
1-3-1ゾーンプレスは相手が慣れていないことが多く、上手く使えば混乱させることができます。通常の1-3-1ゾーンディフェンスよりもボール運びに時間をかけさせることができるので、ハーフコートでの守りがしやすくなるというメリットもあります。
ただし、コフィンコーナーに追い込めなかった場合はすぐに1-3-1ゾーンディフェンスに移行するようにしてください。