「強いディフェンスとマッチアップすると1対1で得点ができない」「ディフェンスを思いっきり置き去りにしてみたい」そんな気持ちを持っているバスケ選手は多いのではないでしょうか。
ただ、クロスオーバーやインサイドアウトをできるほどのハンドリング技術がない、と悩んでいる人も多くいることでしょう。
そこで、クロスオーバーやインサイドアウト、レッグスルーやビハインドザバックなどのハンドリング技術がなくてもできるドライブのコツを説明していきます。
特にミニバス/中学/高校のバスケにおいては、NBAでよく見られる時間をかけた1対1のプレイよりも、ミートから時間をかけずに1~3回のドリブルでディフェンスを崩すドライブが理想的でしょう。
ドライブを上達させたい。1対1の技術を上達させてレギュラーになりたい。負けっぱなしは嫌だ、という選手のために、ドライブを成功させる6つのコツを解説していきます。
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バスケットボール・ドリブル上達革命【元JBLプレーヤー堀 英樹 指導】
Contents
1.状況判断とスペーシングを理解しよう
1対1の練習と実際のゲームで大きく異なるのがヘルプディフェンスの有無です。
1対1の練習では簡単にゴールを決められるのに、ゲームになると全然得点をできない選手というのは数多くいます。彼ら/彼女らが1対1で得点できない最大の原因は、状況判断能力の欠如です。
特に選手の年齢が若いほど、目の前のディフェンスしか見えず、コート全体を見る能力が身についていないことが多いです。
また、ディフェンスに囲まれた状態で難しいシュートを決めることに一種の「カッコよさ」を感じている選手も多いことでしょう。指導者としても、難しいシュートを決められる選手を高く評価しがちなのも事実です。
しかし、本当に優秀な選手とは、難しいシュートを決める選手ではなく、簡単なシュートを打てる状況を生み出せる選手のことです。
味方はスペーシングをしていて、ヘルプディフェンスの目が自分(ボールマン)ではなくマークマンにいっていればチャンスだ。ドライブに対してのヘルプが1歩も2歩も遅れるだろう。
2.ドリブルの強さを意識しよう
「ドライブに重要なのはハンドリングだ」と聞いたことがある人も多いでしょう。
しかし、私自身の経験としてはこの意見には半分賛成、半分反対といった所です。もちろん状況にもよりますが、大抵のドライブに必要なドリブルの回数は1~3回程度。特にボールをキャッチしてからのドライブであれば、ドリブルの回数は少なければ少ないほど良いでしょう。
日本でハンドリングというとレッグスルーやクロスオーバーなどのスキルを指すことが多いですが、勝負を決める素晴らしいドライブを生み出すのは、『強いドリブル』。
NBAのトッププレイヤーを見てみると(レブロン・ジェームス、ステファン・カリー、クリス・ポール)、そのドリブルの強さに驚かされます。
*全てのボールハンドリングにおいて、強いドリブルは重要な要素ですが、日本でドリブルの強さの重要性が強調されないのは悲しいことだと常々思っています。
ドリブルが強ければ強いほど、ドライブのスピードは増します。また、ディフェンダーにボールを取られる可能性は低くなります。
最初はボールが手につかず、顔よりも上に上がってしまうくらい強くつく練習をすることが大切。徐々に強いドリブルでも扱えるようになってきます。
3.力む(りきむ)のではなく力を抜いて1歩の幅を広げよう!
「ドリブルを強くつくのが重要だ」と説明した後で相反するようですが、ドライブをする時はリラックスすることが大切なのです。
下記の図は緊張状態とパフォーマンスの関係を示した簡単な図です。これは有名な逆U字曲線ですが、簡単に説明すると、緊張しすぎても良くないし、リラックスしすぎても良くないということ。最高のパフォーマンスは緊張とリラックスの丁度中間地点にあり(もちろん個人差はあるが)、ドライブをする時であってもこの法則は当てはまります。
引用:https://mental-consultants.com/?p=2034
少し話が脱線してしまいましたが、下半身の力を抜くことで自然と低いドライブになります。力を抜くことで、スッと1歩目を踏み出すというような話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
1歩目を素早く大きく出すためにも、力を抜くというのは重要です。しかも、意外と力んでいるときよりもドライブスピードは上がります。実際に試してみてください!
また、1歩目の幅を広げるためには、重心のバランスが重要です。フリーフット(踏み込み足)に体重が載ってしまっている場合、前のめりの姿勢になってしまうだけでなく、2歩目も遅くなってしまいます。ピポットフット(軸足)に体重を乗せ、身体全体の重心が低くなるように意識するといいでしょう。
4.トップスピードよりもスピードの緩急を意識しよう
トップスピードを出すことは大切ですが、自分でも制御できないトップスピードでドライブをしてしまうと、ヘルプディフェンスに対応できず、ターンオーバーになってしまうケースが多いです。
ターンオーバーを回避するためには、トップスピードで相手を置き去りにすることよりも、緩急で相手を抜き去ることを意識すること。もちろん、ディフェンスの状況によっては、トップスピードでレイアップまで持っていくことが最適なこともあります。
5.シュートは忘れてないか!?
1対1でディフェンスを抜こうと思った時に、よくある間違いとしてシュートを忘れてしまうということがあります。シュートが念頭にないと、ディフェンスは距離を取ってしまうため、ドライブで抜くことは困難になります。
重要なのは、実際にシュートを打つことではなく、ディフェンダーにシュートがあるぞ!と思わせることです。シュートだけ、ドライブだけの選手よりも、両方を使い分けることができる選手になれば、シュートもドライブもより一層輝きます。
そのためには、ドライブの練習であっても常にシュートを意識すること。よくある練習として、45度(ウィング)でボールをミートしてドライブするものがありますが、単にドライブさせるだけでなく、コーチの合図に合わせてランダムにシュートを打つことも有効です。
6.ボールをキャッチする前に勝負を決めよう!
ボールを持ってジャブステップやシュートフェイクなどから相手を揺さぶって華麗に抜き去るのは確かにバスケの華のプレイとも言えるでしょう。しかし、ミニバス/中学/高校で求められるプレイではありません。
ミニバス/中学/高校のバスケでは、1~2回の力強いドリブルで仕掛けることが重要ですし、1~2回のドリブルで勝負できる選手はコーチから高い評価を得られます。
ただし、ボールを持って止まった状態から、1~2回のドリブルで勝負を仕掛けるのは容易なことではありません。
それを可能にするのが、実は、ジャンプミートです。
ジャンプミートというとあまり聞きなれない人も多いかもしれませんが、ミートをする際にジャンプをします。
ジャンプをすると言っても、上に跳ぶのではなく、横に跳ぶ。横に飛ぶことでディフェンスが正面にいる状態から半歩~1歩ずれている状態を生み出すことができます。その半歩~1歩ずれている状態からすかさず力強いドライブをすることで、1~2回のドリブルで勝負をすることができます。(ボールが手に触れる前にジャンプしないとトラベリングになるので注意が必要。)
ミートからの1対1はどのチームでも行っている練習だと思いますが、時間制限を設けてミートの際にジャンプミートを練習してみてもいいでしょう。
まとめ
ここまでで話した6つのコツをまとめると、
- 状況判断とスペーシングを理解しよう
- ドリブルの強さを意識しよう
- 力む(りきむ)のではなく力を抜いて1歩の幅を広げよう!
- トップスピードよりもスピードの緩急を意識しよう
- シュートは忘れてないか!?
- ボールをキャッチする前に勝負を決めよう!
鋭いドライブ、力強いドライブは必ず武器になります。チームを勝たせるために、チームでレギュラーを取るために、例えシューターであったとしてもドライブペネトレイトから得点・アシストができるかどうかでその選手の価値は大きく変わってきます。
今回紹介した6つのコツを活かして、チームに貢献できるドライブ力を身につけていただけたら幸いです。
ドリブルテクニックを磨きたいという方は、値段が多少高いですが中身は充実している下記のDVDもお勧めです。
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