モーション・オフェンスに限らず、バスケのオフェンスを展開する上での必要最低限の重要なポイントはいかの3つがあります。
- 5人全員が1対1で力強くプレーする
- 1対1を仕掛け、ヘルプに来たディフェンスのマークマンにパスを展開し、ズレを作っていく
- ウィングとポストマンとの位置関係を作る。インサイドアウトやカッティングを有効に使う
1対1で力強くプレーすることが前提にありますが、チームとしてどのように動いていいかわからないというチームは多いのではないでしょうか。
そこで、これから全7回にわたって、モーション・オフェンスの基本となるパターン・オフェンスの説明をしていきます。特徴的な仕掛けのプレーを学び、オフェンスのバリエーションを増やしましょう。
全7回で紹介するのは基本的な動きだけですが、応用度は高いです。
まずは空動きでプレーの確認をし、プレーの展開を全員が理解するようにしましょう。基本ができるようになれば自然と応用のプレーをし始めてくれます。
ハイポスト・フラッシュからの仕掛け
ローポストに沈んでいたポストマンがハイポストへフラッシュする動きにあわせて、プレーを展開していきます。
- 仕掛けの動き
- ハイロー
- ハイポスト1対1
- シザース
- バックドア
- ガードとの2対2(ピックアンドロール)
まず図のように各プレイヤーがポジションを取り、プレイヤー2と3はウィングへ、プレイヤー5はハイポストへフラッシュします。
その際、プレイヤー2と3が交差するように逆サイドのウィングへ広がってもよいでしょう。
プレイヤー5にボールが入ったら、プレイヤー4とのハイローを狙います。
プレイヤー4は、プレイヤー5にボールが入るまで、脱力をして、ディフェンダーにポストアップしたいという気持ちを悟られないことが大切です。とにかく逆側にフェイクしてからポストアップしろ、と教えているコーチが多いですが(もちろんフェイクも有効ですが)、ディフェンダーの気を抜かせて、パッとポストアップするのが一番効果的です。
プレイヤー4は、ローポストでパスをもらえなかったら、すぐにスペースをあけます。
プレイヤー5はあいたスペース1対1.もちろんジャンプシュートでもOKです。プレイヤー5が1対1を仕掛けた際に、他のプレイヤーは連動して動くことが大切です。
プレイヤー2と3はコーナーへ、プレイヤー4はプレイヤー5と反対方向にサークルの動きをして合わせましょう。
ローポストにも入らず、1対1も仕掛けられなかった場合、次の動きに移ります。ここで説明するシザースと、次で説明するバックドアのどちらかを展開していきます。
プレイヤー1と3が、ボールを持っているプレイヤー5の所で交差します。その際、プレイヤー5はどちらかに手渡しパスをして、ボールを受け取った方はそのままゴールへドライブするか、ジャンプシュートをします。また、プレイヤー5は手渡しパスをする際に、ターン(フロントかバックターンかはその状況次第)することで、スクリーナーになりましょう。
ポイントとして、プレイヤー1と3が可能な限り同じタイミングでカットをすると、プレイヤー5のディフェンダーがヘルプしにくいので、得点につながりやすいです。
次に、バックドアのパターンです。
プレイヤー3が、図のようにゴール下へカッティングをし、プレイヤー5からバックドアのパスを受け取ります。その際、パスはバウンドパスだとディフェンスに取られにくく、オフェンスはあわせやすいです。
バックドアがダメだった場合に、プレイヤー5はプレイヤー1にパスを返し、そのままピックアンドロールのためのスクリーンをかけます。
ピックアンドロールの攻め方は多岐に渡るため、ここでは省力しますが、NBAなどを参考に、様々な攻め方を勉強してみてください。
プレーの応用
上で説明している基本は、ハイポスト・フラッシュでポストマンにボールが入ることを前提とした動きです。
試合ではディフェンスの位置によって、パスが入らないということが多々あり、この状態に対処することが求められます。プレーの応用としては、ハイポスト・フラッシュをしたポストマンにパスが入らなかった場合を考えましょう。
まず、ポストマンのディフェンスがオーバーディナイしていた場合、ポストマンはフラッシュの動きから裏を狙ってタップシュートやレイアップをします。(図6)
次に、ハイポストにボールが入らず、裏も狙うことが難しい場合、フラッシュする動きのままガードにスクリーン(ピックアンドロール)にいきます。(図7)
他にもプレーの応用はありますので、工夫してみてください。