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1-3-1ゾーンディフェンスとは?
1-3-1ゾーンディフェンスがバスケットボールに登場したのは1940~50年代とも言われており、歴史の長いゾーンディフェンスです。
長い年月をかけて改善につぐ改善が行われ、現在では、やり方がほとんど確立されているディフェンスシステムです。
ゾーンディフェンスが禁止される前のミニバスと中学をはじめ、高校バスケ、大学バスケ、BリーグやNBAでも使われています。また、日本だけでなく、アメリカでも広く使われているディフェンスシステムです。
1-3-1ゾーンディフェンスはハイポストを起点とするオフェンスを重点的に防ぎたい場合に有効であり、ウィングに積極的にプレッシャーをかけることでターンオーバーを誘発するアグレッシブなディフェンスです。
また、運動神経がよく、長身のプレイヤーがいると非常に有効に機能します。もちろん、長身のプレイヤーがいなくても十分に活用できるディフェンスです。
下記図のように、各ポジションをトップ、ウィング、ウィークサイドウィング(ボールと逆サイドのウィング)、ミドルセンター、ウォーリアーと呼ぶことにします。説明をわかりやすくするために名前を付けただけで、正式な名称ではありません。
さて、前置きが長くなりましたが、1-3-1ゾーンディフェンスを1歩ずつ紐解いていきましょう。
1-3-1ゾーンディフェンスの目標
1-3-1ゾーンディフェンスは通常のディフェンスとは異なり、ゴールライン(ゴールとボールを結んだ線で、通常のディフェンスはこのライン上にいるべき)ではなくオフェンスとオフェンスのラインを消すようにディフェンスをして、パスを出しにくくします。もちろんポジションによってはゴールラインを守ります。
そして、バウンドパスやロブパス(山なりのパス)をさせることで、オフェンスのリズムを崩してスティールを狙います。ドライブに対してトラップ(ダブルチームなど)を仕掛けることもあります。
ゾーンディフェンスに共通していることですが、ゾーンディフェンスをする場合は何かしらを捨てる覚悟が必要です。例えば、アウトサイドのシュートを捨てるのか、エース以外に点を取られることを捨てるのかなどです。
1-3-1ゾーンディフェンスの場合は、コーナーでシュートを打たれることを捨てます。その代わり、ハイポスト、ガード、ウィングを起点としたプレイを相手にさせないことでリズムを崩します。
1-3-1ゾーンディフェンスのメリット
- 速攻を出しやすい
- 相手オフェンスが混乱して守りやすい
- 1-3-1ゾーンディフェンスはオフェンスに合わせて応用させやすい
- オフェンスの起点を潰せる
- オフェンスの攻め手を予測しやすく、準備ができる
- エキサイティングなディフェンス
スティールやリバウンドを取ったとき、1-3-1は3線の形ができているのでそのまま速攻につなげることができます。
2-1-2や2-3ゾーンディフェンスと違い、1-3-1を想定してゾーンオフェンスの練習をしているチームは少ないです。そのため、多少なりとも相手オフェンスを混乱させることができます。試合中盤や終盤、勝負所で使うことでオフェンスのリズムを崩して勝利を引き寄せることができるでしょう。
これからこの記事の中で説明していきますが、1-3-1ゾーンディフェンスはオフェンスの形に合わせてディフェンスを応用させることができます。2-1-2や2-3ゾーンよりも応用力が高く、しっかりと習得すれば強力なディフェンスになります。
ほとんどのオフェンスはガード/ウィング/ハイポストの3ヶ所からオフェンスを展開していきます。1-3-1ゾーンディフェンスはこの3ヶ所を重点的に守るディフェンスですので、オフェンスの起点となる所を潰しやすいです。
1-3-1を攻略するためのオフェンスはある程度決まってしまっているため、ディフェンスはオフェンスの攻め手に対して準備をしておくことができます。ほとんどのオフェンスがコーナー、ショートコーナー、エルボーにボールを落とそうとしてくるので、対策を事前にしておきましょう。
スティールを積極的に狙って速攻をガンガン出すアグレッシブなスタイルなので、選手が楽しいと感じることが多いようです。
1-3-1ゾーンディフェンスのデメリット
- 特定のエリアを諦める必要がある
- 長身プレイヤーが必要
- リバウンドが取りにくい
- 習得するのに時間がかかる
- 体力の消耗が激しい
1-3-1ゾーンはコーナーからのスリーポイントシュートに対して弱く、試合中何本か打たれることはあきらめる必要があります。
スモールラインナップ(5人全員が小さい選手)で1-3-1ゾーンディフェンスをすることもできますが、1人か2人は長身プレイヤーがいないとディフェンスの効果が低減してしまいます。逆に、長身でかつ身体能力の高い選手がいる場合は効果的なディフェンスにすることができます。
1-3-1ゾーンだけではないですが、ゾーンディフェンス最大の欠点とも言えるのがリバウンドです。ボックスアウトがしにくいので、5人全員でリバウンドに飛び込み、近くにいる相手オフェンスにボックスアウトをしましょう。特に両ローポスト付近のリバウンドが弱いので、ウィングは積極的にリバウンド参加しましょう。
1-3-1ゾーンはボールマンに対する守り方やトラップの仕掛け方に独特の特徴があります。そのため、チーム全員がしっかりと理解して実践できるようになるまでには時間がかかります。1-3-1ゾーンを練習している時間で他の練習ができないことも考慮に入れる必要があるでしょう。
アグレッシブにプレッシャーをかけるディフェンスですので、他のゾーンディフェンスよりも体力を使います。特にウォーリアーはコーナーからコーナーへ走る必要があるので体力の消耗に注意をしましょう。
ルール(約束事)
- 5人全員がハンズアップ!チェストパスなど速いパス回しをさせない
- ローテーションは素早く、パスの間に行う
- リバウンドは全員で飛び込む
- パッサーの目を見て動きを読む
ゾーンディフェンスで最もやられてはいけないのが、オフェンスに自由にボールを回されることです。ハンズアップ(手をあげる)をして、オフェンスのパスコースを制限しましょう。 また、1-3-1ゾーンディフェンスはオフェンスとオフェンスの間に入りパスを妨げるディフェンスですので、チェストパスなどの速いパス回しはNGです。バウンドパスやロブパスで時間を作りましょう。
ルール1の速いパス回しをさせないために大切なことは、パスが空中にある間に移動を済ませるということです。速いパス回しをされてしまうと無理ですが、ロブパスなど時間がかかるパスをさせている場合には可能になります。ルール1とルール2は両方できて成立するものです。
インサイドのディフェンスが少ない分、ローポスト付近に落ちるボールを取ることが難しいです。コーナーからの飛び込みリバウンドに非常に弱いため、コーナーにオフェンスがいる場合は、ウィングを守っている選手がスクリーンアウトをするためにローポスト付近まで下がります。
実力差のある場合は難しいですが、オフェンスに主導権を握らせるのではなく、ディフェンスが主導権を握れるようにすることが大切です。そのためにも、ボールマン(パッサー)の目を見て予測を立ててディフェンスをします。また、後ろにいるディフェンスが味方に声をかけることで、パスの予測精度を高めることも大切です。
各選手のポジショニングと役割
・トップ
トップは運動量が豊富で野生的勘に優れている選手が向いているポジションです。1チームに1人は野生的勘を持っている選手がいるのではないでしょうか(笑)
トップの役割は、ボールを運んできたポイントガードを片方のサイドに誘導することです。トップの足は常にサイドラインを向いていて、一度行ったサイドから(例えば右)、逆サイド(左)に展開させないようにするのが役割になります。例えば、オフェンスがツーガードのポジションできた場合でも、ガードとガードの間に入り、逆サイドにパスをさせないようにします。
トップがしっかりと機能することで、1-3-1ゾーンディフェンスは片方のサイドを守ればよくなるので、ゾーンディフェンスの成功確率が高くなります。逆サイドにパスをされる場合であっても、バウンドパスやロブパスであれば、ディフェンスが立て直す時間があるので問題はありません。
また、ウィングからコーナーにボールが落ちた場合、ボールサイドのエルボー(オフェンスの位置によってはウィング)にローテーションします。
以上がトップの基本的な考え方とポジショニングになります。
・ウィング
ウィングの役割は主に3つあります。1つ目はウィングにボールがあるときのプレッシャーディフェンス。2つ目はコーナーにボールが落ちたときのトラップディフェンス。3つ目は逆サイドにボールがあるときにウィークサイドのヘルプディフェンス。
ウィングでボールを持ったオフェンスに対しては、タイトに(厳しく)当たることが要求されます。
また、ウィングにボールがある場合、
- 同じサイドのコーナーにオフェンスがいれば、エンドラインに平行にスタンスを構えてコーナーへのパスを妨げるようにディフェンスをし、ストロングサイドへドライブをさせる。
- 同じサイドのコーナーにオフェンスがいなければ、ウィークサイドへドライブをさせて、ウォーリアーと協力してトラップを仕掛けても良い。ただし、逆サイドのウィングのローテーション(ゴール下へのローテーション)が重要になる。
2つ目は難易度が高く、1つのミスから失点に繋がる可能性が高いのでおすすめしません。基本的には1つ目のディフェンスの仕方をしましょう。
特に、オフェンスに「ウィング、コーナー、ローポスト」でトライアングルを作られている場合、コーナーにボールが落ちてもウォーリアーがチェックに行くのが遅くなります。トライアングルを作られた場合は、コーナーにボールが落ちないようにディフェンスし、ミドルラインへドライブさせることが大切です。
・ミドルセンター
ミドルセンターは身長が高く、かつスピードのある選手が行うのが好ましいです。チームで最も身体能力に恵まれた選手がやるのがいいでしょう。ただし、チーム内に身長が高くフットワークの悪い選手がいる場合、その選手がウォーリアーではなくてミドルセンターを担います。
ミドルセンターの役割は大きくわけて2つあります。1つ目は常にゴールライン(ボールとゴールを結んだ線)にいてドライブで仕掛けてくるオフェンスのヘルプディフェンスをすること。2つ目はハイポストにボールが入らないようにすることです。
1線のディフェンスがゴールラインに立っていないことが多い1-3-1ゾーンディフェンスでは、ミドルセンターがゴールラインに立つことでボールマンのドライブを牽制する役割を果たします。さらに、ドライブをしてきた場合にボールマンを止めるのもミドルセンターの重要な役割です。
また、オフェンスは必ず逆サイドからハイポストフラッシュを試みて、ハイポストを経由してオフェンスを展開しようとするはずです。それに対して、ミドルセンターはディナイをしてハイポストにボールが入ることを防ぐ必要があります。味方と連携が取れていないと、簡単にハイポストにボールが入ってしまうので、フラッシュするオフェンスをしっかりと受け渡すようにしましょう。裏へのロブパスは逆サイドにヘルプディフェンスがいるので心配する必要はありません。
・ウォーリアー
ウォーリアーは体力を最も消費するポジションです。コーナーからコーナーへ走る必要があるので、スピードと体力を必要とします。ビッグマンをこのポジションに置くチームもありますが、俊敏に動けるガードがウォーリアーとなっても良いでしょう。身長が高く、動ける選手が2人いる場合は、ミドルセンターとウォーリアーをその2人が担うことが理想的なポジションになります。
ウォーリアーの役割は主に3つあります。
- 1つ目はコーナーへボールが落ちたときにクローズアウトをして簡単にスリーポイント打たせないこと。
- 2つ目は常にボールサイドにポジショニングしてボールサイドで数的有利な状態を作ること(オフェンスを攻めにくくする効果がある)。
- 3つ目はドライブをしてくるオフェンスに対してテイクチャージorブロックをすること。
シチュエーション別守り方ガイド
・ウィングの守り方
ウィングにボールがある時は、ウィング(青2)とトップ(青1)で軽いダブルチームを仕掛けるイメージを持ちます。
ウィングのポジションでは、オフェンスをスリーポイントシュートが打てる位置にいさせてはいけません。プレッシャーをかけてスリーポイントラインから遠くに行かせるようにします。
ウィング(青2)はエンドラインに平行にスタンスを構え、トップ(青1)がいる方向へドリブルさせるように誘導します。トップ(青1)はボールから数歩離れたトップ周辺でハイポストへのパスと逆サイドのガードへのリターンパスを防ぎます。
ウォーリアー(青5)はショートコーナーの周辺に、ミドルセンター(青4)はブロックからエルボーの周辺でオフェンスがいれば必ず前側にポジションを取り、逆サイドのウィング(青3)はウィークサイドのヘルプディフェンスをします。
ウィング(青2)を先頭として、1-3-1の形ができているはずです。オフェンスの位置によって必ずしもきれいな1-3-1の形にはなりませんが、ポジショニングの目安として1-3-1の形になることを意識してください。
・ウィングからのドライブ(ドリブルペネトレイト)に対応する
ウィングからのドライブに対しては、ミドルセンターがヘルプをする場合とトップがヘルプをする場合があります。どちらの場合でも、ウィングはオフェンスの横についていき、そのままダブルチームを仕掛けるようにしましょう。
ミドルセンターがヘルプをする場合、ミドルセンターはその場でヘルプをするのではなく、1歩から2歩外に出てヘルプをします。ミドルセンターが付いていたポストのオフェンスは、ウォーリアーがカバーし、逆サイドのウィングもインサイドのカバーに回ります。(図参考)
トップがヘルプをする場合はドリブルがゴールに向かっていない場合です。ダブルチームを仕掛けるか、ショウディフェンスで逆サイドのガードを守りに行くのか、オフェンスとの駆け引きで決めます。ただし、ゴールに向かってドライブをしていない以上、得点に結びつくプレイに発展する可能性が低いので、ショウディフェンスから逆サイドのディフェンスに回った方が得策なことが多いです。
・トップからのドライブ(ドリブルペネトレイト)に対応する
トップ(青1)は正面ではなく横向にスタンスを構えているため、ドライブされること自体は問題ありません。ミドルセンターと協力してドライブのスピードを遅くさせ、キックアウトさせることが大切です。
また、ウィングはショウディフェンスでヘルプに行くとみせてウィングからコーナーをケアします。
・コーナーからのドライブ(ドリブルペネトレイト)に対応する
かなりの距離を走ってクローズアウトをするため、ディフェンスは抜かれやすいのが現実です。クローズアウトから1on1で止めると考えるのは不可能ですが、ベースライン側を突破されてはノーマークでレイアップを打たれてしまうので、必ずベースライン側からクローズアウトをします。
・コーナーでトラップディフェンスを仕掛ける
ウィングからコーナーへパスが出た際に、ウォーリアー(青5)とウィング(青2)で積極的にダブルチームを仕掛けるスタイルです。ウォーリアーはブロックからクローズアウトをしてベースライン側へドライブをさせないようにします。ウィング(青2)はパスを追いかけるようにそのままダブルチームに入ります。
その他の選手の動きは、
- ミドルセンター(青4)はルール通りゴールラインに位置するために、ボールサイドのブロックの位置まで下がる。
- トップ(青1)はハイポストをケアしつつ、ウィングへのリターンパスのスティールを狙う。ただし、ハイポストの方が守る優先順位が高いということを忘れない。
- 逆サイドのウィング(青3)はウィークサイドのヘルプディフェンスを担当し、スキップパスのスティールを狙う。ウィークサイドからハイポストへのフラッシュが多いので、必ずトップ(青1)へ受け渡しの声を出す。
・コーナーでトラップディフェンスをしない
コーナーでトラップを仕掛けないパターンも練習をしておく必要があります。コーナーでのトラップを逆手にとってオフェンスを展開してくる相手に対応することや、メリハリを付けて相手を戸惑わせる効果もあります。
トラップを仕掛ける時と同様に、ウィングからコーナーへパスがいったらウォーリアー(青5)はクローズアウトをします。
ウィング(青2)はダブルチームへ行く代わりに、コーナーからウィングへのパスコースを塞ぎます。ただし、スリーポイントライン上に残るのではなく、少し内側に入ってハイポストをケアするという意識を持ちます。
その他の選手の動きは基本的に変わりません。青1がウィングをケアする必要がなくなるので、ハイポストに対するディフェンスが手厚くなるというメリットがあります。
・ローポスト(ショートコーナー)の守り方
基本的にローポストにボールを入れさせないように守るのが1-3-1ゾーンディフェンスですが、トライングルオフェンスの形を作られて(ウィング、コーナー、ローポスト)、ローポストにボールが入ってしまうパターンがあります。
コーナーからローポストにボールが入った場合、ミドルセンターが通常の1on1の形を取り、ウォーリアーが横(コーナー側)から手を出して1on1をさせない(ドリブルをつかせない)ようにします。もちろん、ウォーリアーはコーナーへのチェックもしなければいけませんから、オフェンスとの駆け引きが重要になります。
ローポストでボールを持ったオフェンスの強さに応じて、どの程度ディフェンスを収縮すべきか判断できるように日ごろから練習をしておきましょう。
・ハイポストの守り方
ハイポストはジャンプシュートやペネトレイトができるだけでなく、パスの選択肢も多いポジションなので、ディフェンスとしては守りづらいです。
ハイポストにボールが入った時の各選手の動きは
- ミドルセンター(青4)は正面に立ち1on1をする
- トップ(青1)はボールマンに横からプレッシャーを与え、簡単にドライブをさせないようにしつつ、アウトサイドへ戻る準備も怠らない
- ウォーリアー(青5)はハイロープレイをされないようにポジション取りをする
- ウィング(青2と3)はオフェンスの位置に合わせてブロックまで降りるのか、ウィングに張るのかを決める
・1-4のフォーメーションに対する守り方
ゾーンオフェンスとして使われるフォーメーションに1-4というものがあります。(図参考)
1-4から展開できるオフェンスのバリエーションが多いため、様々なチームで使われます。
ゾーンディフェンスの練習をする上では、1-4のオフェンスを想定しておくことは欠かせません。
1-4のフォーメーションから展開するオフェンスは数多くあり、この場で全ての対応方法を書くことはできませんが、1-4のフォーメーションでディフェンス側が気をつけなければならないのは何よりもハイポストです。
ハイポストに2人のオフェンスがいるため、ミドルセンター(青4)の1人では対応できず、そのままではどちらかのハイポストにパスが入ってしまいます。そこで、1-4のフォーメーションを取られたら、下図のように、トップ(青1)が誘導していないサイドのウィングがハイポストの守備をします。
・スキップパスの対応
1-3-1ゾーンディフェンスの弱点の1つがスキップパスです。ゾーンの形を崩されるだけでなく、ドライブへの対応が遅くなってしまいがちですが、守り方をしっかりと学べばスキップパスに対しても十分に対応することができます。
スキップパスの対応は以下の2種類に分類できます。
- ウィングからコーナーへのスキップパス
- コーナーからウィングへのスキップパス
コーナーからコーナーへのスキップパスをほとんどありません。起こった場合はウィングからコーナーへのスキップパスとローテーションの仕方は同じです。
また、ウィングからウィングへのスキップパスは守るサイドが逆になっただけで、特段変化を必要としないので説明を省きます。
・コーナーへのスキップパス
コーナーへスキップパスが出たら、ウィークサイドのディフェンス(青3)がクローズアウトをします。
ウォーリアーはパスが出ると同時にコーナーへダッシュし、通常のディフェンス(ウィングからコーナーへパスが出た状態)にもどします。その際、先行していた青3とダブルチームを仕掛けてもいいですし、青3が元の位置に戻っても問題ありません。
他の選手の動きは、
- トップ(青1)はボールサイドのハイポストとウィングを守る
- ミドルセンター(青4)はローポストを守る。ボールラインにいることを忘れない
- 逆サイドのウィング(青2)はヘルプディフェンスとなる
・ウィングへのスキップパス
ウィングへのスキップパスはローテーションが難しいですが、クローズアウトの仕方が肝を握ります。
ウィングへのスキップパスから展開されては困るのが、同じサイドのコーナーへのパスです。例えば、右サイドのコーナー→左サイドのウィング→左サイドのコーナーへとパスを展開されると、守ることはほぼ100%不可能です。
これを避けるために、ウィークサイドを守っていたウィング(青3)はクローズアウトをJカットのようにして、コーナーへのパスを塞ぎつつチェックにいきます。コーナーにオフェンスがいない場合はJカットのようにクローズアウトをする必要はありません。
また、コーナーからウィングへのスキップパスは距離が長いので、スティールを狙ってもいいでしょう。
オールコートプレスへの応用
1-3-1ゾーンディフェンスは、そのままの形でオールコートプレスに応用することができます。日本ではあまり見慣れませんが、アメリカではオールコートのプレスとして使っている高校や大学はたまにあります。
オールコートへの応用は現在まとめていますので、出来上がり次第アップしたいと思います。
まとめ
長い解説になってしまいましたが、1-3-1ゾーンディフェンスをする目的を見失わないことが最も大切です。
ベーシックな2-1-2や2-3ゾーンディフェンスに比べて、戦略がはまれば強力なディフェンスになる一方で、簡単に崩されてしまうリスクも高いです。
また、1-3-1を主のディフェンスとするのではなく、チェンジング・ディフェンスの1つとするのも良い戦略でしょう。