今回はコンタクト(接触)がある状況の中で行うレイアップシュートの練習を紹介します。
バスケットボールはコンタクトの多いスポーツで、試合中にノーマーク(ディフェンスに邪魔をされない状態)でシュートを打てることはほとんどありません。残念なことに、日本の多くのチームで行われているシュート練習はディフェンスがいないものが多く試合に近い状態とは言い難いのが現実です。
そこで、ファールされた状態、体のバランスを崩した状態を作り出したシュート練習が必要です。特にドライブからのレイアップやゴール下のシュートはコンタクトが多く、練習中から試合よりも激しいコンタクトに慣れておくことが大切です。
練習方法の解説
さて、練習方法の説明に入りますが、その前に冒頭の動画をもう一度みてください。
ペリミーター(スリーポイント付近)でコーチがボールを上に投げ、選手はそのボールをキャッチしてフェイントなどからドライブをします。
ボールを投げたコーチはディフェンスをしますが、動画を見るとわかる通り、腕などを叩いて明らかにファールをしています。これにより、試合中に多少の接触があってもファンブルせずにボールをキープする力がつきます。
また、ドライブをしてレイアップをしようとする際にも別のコーチがマットを使ってコンタクトしています。選手には、体勢を崩した中でレイアップをすることが要求されています。
試合中には多少のコンタクトではファールになりませんし、ファールであっても笛がなるとは限りません。この練習を通して多少のファールに負けずに得点を取るという強いフィジカルを身につけることができるでしょう。
この練習に向いている年齢とは?
この練習をミニバスや中学のコーチに紹介すると、高校よりも上の年齢で高いレベルの選手だけが行うものと思ってしまう方が多いです。
「コンタクトのある練習は危ないから」「ノーマークのシュートも確実に決められないのにコンタクトのシュートを練習するのは時期尚早だ」などの意見をもらうことが多いのですが、コンタクトのあるシュートは年齢やレベルに関係なく行うべきものです。
コーチMのブログを引用させていただくと、
http://ameblo.jp/tamorimorimori83/
コンタクトの強さの調整さえすれば、小学生や中学生でも「コンタクトの中でバランスを取る練習、体の当て方を知る練習」として非常に有効になります。(コオーディネーショントレーニングと同じで、バランス能力は第二次成長期の前が伸びやすいため)
コオーディネーショントレーニングとは、簡単に説明するとリズム感覚やバランス感覚、識別能力や脳と体の連結をスムーズにするトレーニングのことです。センスがいいというのは大体コオーディネーション力が高いことに起因しています。
年齢に関係なく、コンタクトのある練習を取り入れる意義がわかっていただけたかと思います。