コーチング

タイムアウトを取るべき5つのタイミング

バスケットボールの試合において、タイムアウトは勝敗を分ける非常に重要な要素の1つです。重要だからこそ、タイムアウトを取るべきタイミングがわからずに悩んでいるという指導者は多いのではないでしょうか。

結論から言いますと、タイムアウトを取るべきタイミングに「完璧」というものはありません。試合が生き物である以上、1試合1試合におけるタイムアウトを取るべきタイミングは違ってくるからです。

しかし、タイムアウトを取るべきタイミングには、ある程度共通したルールがあることも事実です。ここでは、そのルールを5つにまとめましたので、タイムアウトを取る時の参考にしてもらえればと思います。

 

1.相手に傾いた流れを止めるため(会場の雰囲気も止めるため)

タイムアウトを取るのはほとんどがこのケースです。

実力が拮抗していればしているほど、自チームに流れを引き寄せておくことが、試合に勝つための必須条件になります。相手チームに流れが行ったなと思ったら、タイムアウトを取って流れを断ち切ります。

もちろん、バスケットボールの試合は生き物ですので、自チームに流れが来る時間帯もあれば、相手チームに流れが行ってしまう時間帯もあります。タイムアウトによっていかに自チームに流れを持ってくるかということが大切になります。

1つ注意すべき点は、相手チームに流れが行くのは連続して得点を取られている場合だけではないということです。劇的な1プレイによって流れが大きく傾いてしまうことはよくあるので気をつけて下さい。

 

2.セットオフェンスを組んで得点を確実に取るため

試合終盤では、確実に得点を取りたいというタイミングが必ずあります。セットオフェンスの指示を選手達に出し、得点を取りましょう。

また、第4クォーターの残り2分を切った時間帯でタイムアウトを取れば、フロントコートのサイドラインからのボール出しになるので、時間がない場合にタイムアウトを活用することもできます。

 

3.ディフェンスの戦略を変更するため

ディフェンスの戦略を変更するために取るタイムアウトもあります。

例えば、ハーフコートのマンツーマンディフェンスをしていたがゾーンプレスを仕掛けたい場合や、逆にゾーンプレスをしていたが相手にさほどの脅威も与えられていないためマンツーマンディフェンスに変更する場合などです。

選手達のレベルが高い場合、タイムアウトを取らずに指示を出したり、事前に合図を決めておくことでディフェンスを変更することは十分に可能です。よくあるのが、フリースローの後だけゾーンプレスを仕掛けるというディフェンスでしょう。

しかし、ミニバスや中学などでは、5人全員が対応することができず、ディフェンスが崩壊してしまう可能性も高いため、タイムアウトをとって確実にディフェンスのやり方を変更する方が確実でしょう。

 

4.選手を休ませるため

試合中盤や終盤において、選手が明らかに疲弊してしまっている場合があります。交代することができればタイムアウトを取る必要はありませんが、試合終盤にエースなどの重要なポジションを担っている選手を変えることはできないでしょう。

選手を休ませるためだけにタイムアウトを取ることも戦略のうちの1つです。

 

5.チームではなく個人を成長させるため

タイムアウトはチームの勝利のために使うものだと考えがちですが、1人の選手を成長させるためのタイムアウトも重要です。

試合中に技術的なことを指導するだけでなく、マインド面を成長させるためにも使えます。試合後のミーティングで十分と考えているコーチも多いと思いますが、その場で言わないと選手の心に響かないということも多々あります。

もちろん、公式戦ではこのようなタイムアウトの使い方はできないと思いますが、練習試合などでは積極的にこういう使い方をすべきでしょう。

 

まとめ

  1. 相手に傾いた流れを止めるため(会場の雰囲気も止めるため)
  2. セットオフェンスを組んで得点を確実に取るため
  3. ディフェンスの戦略を変更するため
  4. 選手を休ませるため
  5. チームではなく個人を成長させるため

 

タイムアウトはバスケットボールにおける最大の武器であるとともに、コーチ力が試されるものでもあります。タイムアウトを取るタイミングに正解はありませんが、「自信」を持って取ることが大切です。

今回紹介した5つのルールが、あなたのチームのお役に立てましたら幸いです。

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