体育館の使用できる時間が限られているなど、日本のバスケ環境は決して良いものではありません。そんな中、どの年代をとってみても、練習時間の確保は大きな悩みでしょう。そして、スキルアップの練習やチーム練習の練習時間を確保するために真っ先に削られるのがウォーミングアップかもしれない。
しかし、ウォーミングアップの目的が、単なる体を温める・プレーの準備という認識ではいけない。まず、子供を指導する立場にいるコーチ/監督が、ウォーミングアップメニューの目的には下記の5つがあることを理解する必要があるだろう。
- 心の準備
- 動きの改善
- 身体強化(体幹)
- 柔軟性の向上
- スキル向上
では、指導者がバスケのウォーミングアップで選手に促すべきことはなんだろうか?
練習意図の理解
「やらされている」選手と「自らやっている」選手の成長は大きく変わってくる。当たり前のことに思われるが、効率的な練習を行いたいのであれば、選手とコミュニケーションが欠かせないだろう。1つ1つの練習の目的・意図・方法・その練習の結果得られる成果を選手たちに明確に示し、理解させることが非常に大切だ。「自ら動く」選手の成長は目を見張るものがあり、指導する立場としても教えていて面白いはずだ。
選手のモラル向上
「モラル=真剣度」と解釈してほしい。1つ1つの練習には明確な目的があるが、選手が楽をしたいとサボってしまえば高い効果が望めない。①と重なるが、「自ら動く」選手が多ければ、自然と真剣度も大きくなるだろう。
正しいフォームの習得と反復
練習効果を高め、ケガを防止するために、正しいフォームでウォーミングアップを行うことは大切だ。バスケットボールにおいては「パワーポジション」を保つことが最重要課題だろう。また、バスケットボールはハビットスポーツ(習慣のスポーツ)と言われるくらい、反復練習で体にしみこませることが大切であり、フォーメーションやハンドリングスキルだけでなく、ストレッチやウォーミングアップも正しいフォームを体の髄に覚えさせることが大切だ。
静⇒動の動き
急激な運動はケガの原因になることは言うまでもないことだろう。様々なウォーミングアップのメニューがある中で、静⇒動、遅い⇒速いという順序でメニューを構成すると良いだろう。
バランスが命
すべてのことをやろうと思えば1日あっても足りない。ウォーミングアップの時間を確保することは必須ですが、すべてのウォーミングアップメニューを行うことはまずできない。そこで重要になってくるのが、体を全体的に動かす、バランス良い種目構成でウォーミングアップメニューを組むことだ。
今後限られた練習時間内でできるウォーミングアップメニューを随時アップしていく予定である。