チェンジング・ディフェンスとは?
チェンジング・ディフェンスは名前の通り、守り方を変える(チェンジング = Changing)ディフェンスのことです。
例えば、
- マンツーマンディフェンスで守るのを基本として、フリースローの後だけゾーンプレスを仕掛ける
- 2-3ゾーンディフェンスや1-3-1ゾーンディフェンスなどの複数のディフェンスを試合の流れに応じて使い分ける
などがあります。
チェンジング・ディフェンスのメリット
- 失点を減らす!
- ゲームの流れを変える!
- タイムアウト開けの失点を防ぐ!
バスケットボールは24秒以内に攻めなければなりません。突然ディフェンスシステムを変えられた場合に、対応するのに十分な時間とは言えません。
守り方を変えることでオフェンスが混乱して24秒以内に攻められなくなる可能性が高いというメリットがあります。
ゲームの流れを変える要素は色々とありますが、意図的に変えることができるのはタイムアウトとディフェンスの種類の2つくらいしかありません。
タイムアウトを使ってセットオフェンスを組むチームは多いです。
タイムアウトで指示を出されるセットオフェンスは、タイムアウトを取る前に行っているディフェンスに対しての戦略が一般的ですが、タイムアウト開けにディフェンスシステムが変わっていたらどうでしょうか?
あなたが相手チームのコーチや選手であれば嫌なはずです。
タイムアウト開けに組まれるセットオフェンスを抑えるためにもチェンジング・ディフェンスは有効です。
チェンジング・ディフェンスのデメリット
- 習得するのに時間がかかる
- 高いバスケIQが必要
チェンジング・ディフェンスでは複数の種類のディフェンスを練習する必要があります。
例えば、マンツーマンディフェンス、1-2-1-1ゾーンプレス、2-1-2ゾーンディフェンスの3つを使ってチェンジング・ディフェンスを仕掛けようとするのであれば、これら3つを習得するための練習時間が必要です。
ミニバスから大学バスケにおける多くのチームではディフェンスに十分な時間を割けないというのが実情でしょう。
中途半端なディフェンスをいくつも練習するよりは、1つのディフェンスシステムに絞って練習をしたほうが効率的な場合もあります。
チェンジング・ディフェンスを成功させるためには5人全員に高いバスケIQが必要ですが、残念ながら5人全員が高いバスケIQを持っているチームは少ないのが現実です。
チーム全体で次にどのディフェンスをするかの意思疎通ができていることはもちろんとして、試合の流れを把握してディフェンスを仕掛けます。
例えば、試合の流れを変えるためにリスクを覚悟でプレッシャーをかけたいのか、時間を使わせるために距離を取ってドライブをさせないように守るのかなどを5人全員が理解していることが大切です。
有効なチェンジング・ディフェンスの例
チェンジング・ディフェンスに絶対的な正解はありません。
ただ、試合を組み立てる上で相性のいい守り方の種類はあります。
ここではチェンジング・ディフェンスに向いている組み合わせをいくつか紹介します。
- マンツーマンディフェンス&2-3ゾーンディフェンス
- フリコートマンツーマンディフェンス&ハーフコートマンツーマンディフェンス
- マンツーマンディフェンス&2-2-1ゾーンプレス&2-1-2ゾーンディフェンス
マンツーマンディフェンスを主軸に、ワンポイントでゾーンディフェンスを入れます。NBAや大学のバスケでよく見られるチェンジング・ディフェンスです。
マンツーマンディフェンスをオールとハーフで使い分けるチェンジング・ディフェンスです。試合の流れに応じて使い分けができるとかなり有効に機能します。また、ゾーンディフェンスを練習する必要がないというのもメリットの1つです。
得点をした後だけゾーンプレスからゾーンディフェンスを仕掛けるチームもあります。得点できなかった場合はマッチアップを優先してマンツーマンディフェンスをすることで速攻による失点を最小限に抑えることができます。