ゾーン・アタックの基本的な考え方は以前の記事で説明した。
ゾーン・オフェンス(アタック)の考え方
今回はゾーン・アタックの練習に入っていく前に、基本的な動きについて説明していく。全ての練習の前提になるものであるから、しっかりと頭に入れておこう!
見出し
- ドライブ&キックアウト
- ハイポストフラッシュの中継からキックアウト
- オーバーロードでアウトナンバーを作る
- ジャンプミートで仕掛けてギャップを作る
- ジャンプストップ/ギャロップステップでディフェンスを割る
- 進行方向と逆へのパスを心がける
- スペーシング
- アウトサイドシュート
- ピックスクリーン
- 最後に
ドライブ&キックアウト
ゾーンディフェンスに対してドライブをするときのポイントは、1対2の状況を作り出すこと。1対1を仕掛け、ヘルプディフェンスを引き付けることで、1対2の状況を作り出す。または、ディフェンスとディフェンスのギャップ(隙間)にドライブすることで、1対2の状況を作り出す。その後、ノーマークの味方オフェンスにキックアウトパスを出す。
ハイポストフラッシュの中継からキックアウト
ゾーンディフェンスはインサイドから崩すことが鉄則である。アウトサイドのシュートをメインにしているチームであっても、インサイドを中継する必要がある。ハイポストにフラッシュ(エルボー付近でもOK)してボールを受けることで、ディフェンスを収縮させることができる。ハイポストフラッシュからのキックアウトパスは基本中の基本だろう。
オーバーロードでアウトナンバーを作る
オーバーロードとは、片サイドに4~5人を配置するオフェンスのことである。オーバーロードをすることで、ディフェンスに対して数的有利を生み出すことができる。ただし、スペースが狭くなるので注意が必要だ。
ジャンプミートで仕掛けてギャップを作る
ボールをミートする際にその場でミートするのではなく、ジャンプミートを使ってディフェンスと半歩から1歩のズレを作る。その後力強いドリブルで仕掛け、アウトナンバーやジャンプシュートのシチュエーションを作り出す。
ジャンプストップ/ギャロップステップでディフェンスを割る
ゾーンディフェンスの弱みはディフェンスとディフェンスのギャップである。ドライブに対しては2人で対応することに慣れている場合でも、ギャロップステップで割って入って来るオフェンスに慣れているディフェンスは少ない。ディフェンス2人の間を思い切って割ってみよう。
進行方向と逆へのパスを心がける
ディフェンスにとって、進行方向と同じ方向にローテーションするのは非常に楽である。進行方向と逆にパスをすることを常に心がけよう。これは右側にドライブをしていたら左側へのパスを意識するということだけでなく、右サイドでオフェンスを展開していたら、左サイドへのパスを狙うということでも同じである。ギャロップステップでディフェンスを引き裂いた後に逆サイドへパスができれば、大抵のディフェンスは崩れるだろう。
スペーシング
マンツーマンに対するものと決定的に異なるのがスペーシングの取り方である。ゾーンディフェンスの形(例えば2-1-2なのか1-3-1なのかなど)に応じて、適切なスペーシングというものが異なるので、一概に説明することはできない。ただし、型にはめたスペースの取り方を覚えるのではなく、1人1人がディフェンスを観察して、空いたスペースを見つける練習が必要になる。
アウトサイドシュート
スリーポイントを狙える選手が少なくとも2人、理想的には4人以上欲しい。ミドルレンジを得意な選手も多いだろうが、ゾーンオフェンスをする上ではスリーポイントの重要性は言い切れない。
ピックスクリーン
マンツーマンディフェンスに対してのみ有効と考えがちなピックスクリーンだが、ゾーンディフェンスに対しても効果は抜群。ピックスクリーンからアウトナンバーを作り、ゾーンディフェンスを攻略することができる。
最後に
ゾーンオフェンスを成功させるためには、上記で説明したことを、常に下記のキーポイントと結びつけて考える必要がある。
- 1人1人がゴールを狙う
- ゾーンディフェンスの原型を崩す
- インサイドへのアタック
1人1人が型にはまった動きをするのではなく、「考えて」プレーするようになれば、どのようんゾーンであっても攻略することはできるだろう。全ての型に対するゾーンオフェンスを練習する時間はないであろうから、応用力をどのように付けていくかということを考えることが大切でしょう。